エアロビックとは|7種目と採点・日本の世界一の歴史・全日本と2027年の日程

AEROBIC GYMNASTICS

エアロビック

エアロビック(競技エアロビック)は、エアロビクスから生まれた体操で、10メートル四方の中で約1分半、音楽に合わせて力強い技とステップを続け、難しさ・出来ばえ・芸術の点で競います。日本は強豪国の一つで、2024年の世界選手権で金メダル2つ、2025年のワールドゲームズでミックスペアの金メダルを取りました。

このページでは、国際ルールの7種目と採点、日本独自の種目、日本エアロビック連盟の歩み、日本の主な成績、2026年11月の全日本(スズキジャパンカップ)から2027年までの日程、始め方を紹介します。

エアロビックとは

エアロビックは、アメリカのケネス・H・クーパー博士が広めた運動の考え方「エアロビクス(有酸素運動)」を起こりとし、エアロビックダンスの動きを技として整理して競技にしたものです。日本エアロビック連盟(JAF)によると、1982年にアメリカで競技の形が考え出され、カリフォルニア州で初めての競技会が開かれました。

国際体操連盟(FIG。いまの名前は世界体操連盟)は1995年に新しい体操の種目として認め、同じ年にパリで第1回世界選手権を開きました(34か国が参加)。1997年にはフィンランド・ラハティのワールドゲームズで初めて行われました。世界選手権は現在、偶数年に開かれています。

見どころは、腕立て伏せの形からはね上がる技や、空中で開脚するジャンプ、片手で体を支えて回る技などを、速いテンポの音楽に合わせて次々と続ける体力と正確さです。笑顔や表情、音楽との一体感も点数になります。

国際ルールの7種目

種目 人数 ポイント
女子シングル 1人 技8つが基本。女子はターン(回転)の技が必要
男子シングル 1人 跳ぶ力の技が必要。柔軟やバランスの技は使えない
ミックスペア 男女2人 同じ技を同時に行い、2人が協力する動きを入れる
トリオ 3人 男女の組み合わせは自由。動きのそろい方も見られる
グループ 5人 隊形の変化と同時性が見どころ
エアロビックダンス 8人 ダンス性の高い演技。難しさの点はない
エアロビックステップ 8人 ステップ台を使う。難しさの点はない

競技の場所は10メートル四方で、演技は1分20〜30秒ほどです。世界選手権では1人が3種目まで出られます。女子はレオタードとタイツ、男子は体にそった上着と短パンなどで、男子はスパンコールや長そでが使えません。

採点のしくみ

シングル・ペア・トリオ・グループは「難度点」「実施点(10点満点)」「芸術点(10点満点)」を足し、主任の減点を引いて決めます。ダンスとステップは実施点と芸術点だけで決めます。

  • 難度点:行った技(エレメント)の難しさと、決められた条件どおりにできたかを評価します。技を3つまでつなげるとつなぎの加点があります。グループでは、合計の難度を人数の男女の組み合わせで決まった数で割ります。
  • 実施点:完ぺきな動きからどれだけずれたかで減点します。ペアやトリオ、グループでは、いちばん出来の悪かった人の動きで減点します。
  • 芸術点:音楽に合わせてエアロビックらしさと選手の個性を表しているか、構成の工夫、場所の使い方などを見ます。
  • 主任減点:禁止されている動き、ラインの外へ出る、時間の超過、服装の違反など。

スズキジャパンカップでは、同点のときは実施点、芸術点、難度点の高い順に上位を決めます。

日本独自の種目と年齢の部

日本エアロビック連盟は、国際ルールの「エアロビック・ジムナスティックス(AG)」のほかに、国内で広めるための種目を作っています。

種目 どんな競技か 年齢の部(スズキジャパンカップ2026)
AG(エアロビック・ジムナスティックス) 国際ルールで高難度の技と芸術性を競う。演技はシニア・ジュニア1分25秒(前後5秒)、ユース1分15秒(前後5秒) シニア17歳以上、ジュニア14〜16歳、ユース11〜13歳
AD(エアロダンス) 2022年に始まった日本の種目。キック、腕立て伏せ、ジャンプ、ジャンピングジャックの4つの必修動作を入れ、技術点と芸術点(各10点)で評価 ルーキーズ13歳以下からマスターズ(男子50歳以上・女子60歳以上)まで。チームは2〜15人
フライト 有酸素の力をもとに「心・技・体」のバランスで競う個人競技。音楽に合わせて一斉に演技する 年代別に幅広い

日本の団体:日本エアロビック連盟

日本で競技エアロビックをまとめているのは、公益社団法人日本エアロビック連盟(東京都品川区)です。日本体操協会の公式サイトでも、エアロビックの案内はこの連盟につながっています。全国47都道府県すべてに連盟があり、日本スポーツ協会と日本体操協会の両方に加盟しています。

年 主なできごと
1983年 国際組織FIAの日本本部として誕生
1984年 日本初の競技会「第1回全日本エアロビック選手権大会」(今のスズキジャパンカップ)
1990年 スズキワールドカップ世界エアロビック選手権大会が始まる
1992年 社団法人日本エアロビック連盟として独立
2003年 国際体操連盟と競技ルールを共通にする
2004年 日本体育協会(今の日本スポーツ協会)に加盟。日本体操協会にも加盟
2011年 ユニバーシアード(中国・深圳)の種目になり、日本代表を派遣
2017年 小・中学校の学習指導要領にエアロビクスが書かれる。ワールドゲームズ(ポーランド)のトリオで日本初の金メダル
2018年 世界選手権(ポルトガル)で男女シングルともに金メダル
2022年 新種目エアロダンスを開始
2024年 世界選手権で女子シングルとミックスペアが金メダル

日本の主な成績

年・大会 結果
2017年 ワールドゲームズ(ポーランド) トリオで金メダル(日本初)
2018年 世界選手権(ポルトガル・ギマランイス) 男子シングル 斉藤瑞己が金、女子シングル 北爪凜々が金
2024年 世界選手権(イタリア・ペーザロ) 女子シングル 北爪凜々が金、男子シングル 斉藤瑞己が銀、ミックスペア 北爪・斉藤組が金
2025年 ワールドゲームズ(中国・成都、8月15〜16日) ミックスペア 北爪凜々・斉藤瑞己組が金メダル。出場は各種目6組で、日本はこの1種目に出場
2026年4月 スズキワールドカップ(東京) ジュニア女子シングル 知崎百華が優勝(2024年に続き2度目)、ジュニアトリオ 知崎百華・中島心々音・岡日菜多(AE刈谷)が2連覇。シニア男子シングル 河合翔は6位
2026年6月 ワールドカップ(中国・南昌) 女子シングル 岩城未緒、男子シングル 嶌田隼太がともに決勝7位
2026年8月 アジア選手権(フィリピン・タガイタイ) シニア女子シングル 岸邊茉央が銅、ジュニア女子シングル 岡日菜多が銅
2026年9月 世界選手権(スペイン・パンプローナ) シニア男子シングル 河合翔は予選35位。ジュニアトリオはAE刈谷が予選12位、SKJ・ジムナの組が13位

2025年のワールドゲームズのエアロビックは14の国・地域から81人が出場し、中国が金2個、ハンガリーと日本が金1個ずつでした。

スズキワールドカップとスズキジャパンカップ

スズキワールドカップは1990年に始まり、日本から世界へエアロビックを発信してきた大会です。2026年4月18・19日に東京都大田区のEBARA WAVE アリーナおおたで開かれた第37回大会には、22の国・地域から171人が出場しました。主催者は、この大会で国際大会としての役割に一区切りをつけたと発表しています。

スズキジャパンカップは1984年から続く日本一を決める大会です。4月からの都道府県大会、9〜10月の地区大会(東日本・東北・九州・中部・西日本)を経て、全国大会で各部門の日本一を決めます。2025年はシニア男子シングルで河合翔(エアロビックアスリートチーム ジムナ)、シニア女子シングルで高橋采里(AE刈谷)、シニアトリオで髙栁光希・髙栁汐里・高橋采里(AE刈谷)が優勝しました。

主な大会と2026〜27年の日程

日程 大会 会場・開催地
2026年11月14日(土) スズキジャパンカップ2026 全国大会1日目(AD種目・AGシニアダンス) EBARA WAVE アリーナおおた(東京都大田区)
2026年11月15日(日) スズキジャパンカップ2026 全国大会2日目(AG種目・日本代表選考会) 同上
2026年11月13〜15日(現地) パンアメリカン選手権 ブラジル・アラカジュ
2026年12月5・6日 スポーツエアロビック2026岡山オープン 岡山県
2026年12月19・20日 スポーツエアロビック2026東京オープン 東京都
2027年1月23日 第17回全国ユースフライト・エアロビック選手権大会 ブロック大会で出場権を得た選手が出場
2027年1月24日 第22回JOCジュニアオリンピックカップ 全国エアロビック選手権大会in袋井2027 静岡県袋井市
2027年2月20日 第22回全国フライト・エアロビック選手権大会 ブロック大会で出場権を得た選手が出場
2027年3月19〜21日(現地) ワールドカップ ポルトガル・カンタニェデ
2027年4月16〜18日(現地) ワールドカップ ドイツ・リーザ
2027年6月11〜13日(現地) ワールドカップ アゼルバイジャン・バクー
2027年6月16〜27日(現地) ヨーロッパ競技大会(エアロビックを含む) トルコ・イスタンブール
2027年9月24〜26日(現地) ヨーロッパ選手権(ジュニアは9月20〜22日) イタリア・ペーザロ

スズキジャパンカップ2026全国大会の観覧券は各日1,000円(税込)で、11月9日10時から一般販売です。地区大会は無料でした。大会のあとにNHK BSで放送する予定です。会場は京急蒲田駅から歩いて7分、京急の梅屋敷駅から4分です。

会場での撮影は、選手の演技中に限られます。フラッシュ、350ミリ以上の望遠レンズ、赤外線の撮影機器は使えません。撮った写真や動画を連盟の許可なくSNSにのせることや、お金もうけに使うこともできません。

始め方(教室・年齢)

  • 登録クラブに入る:日本エアロビック連盟の「登録クラブ」が全国にあり、ユース(11〜13歳)より下のプレユースの部もあります。競技会に出るには選手登録をします。
  • エアロダンスから始める:エアロダンスは基本の動きができれば挑戦できる種目で、「楽しく、元気に、リズムよく」動くことが大事とされています。13歳以下のルーキーズ、大人のシニア、50歳以上のマスターズの部があります。
  • 技能検定を受ける:水泳の泳力検定のように段階を進める「エアロビック技能検定」が1997年から、子ども向けの「ジュニア・エアロビック検定」が2007年から行われています。
  • スローエアロビック:運動が苦手な人や高齢の人でも気軽にできる、ゆっくりしたエアロビックです。各地で指導員の養成講習会が開かれています。
  • 学校で出会う:2017年の学習指導要領の改訂で、小・中学校の体つくり運動にエアロビクスが書かれ、授業で取り入れる学校が広がっています。

この種目のこれからの大会

日程 大会 開催地 案内
11月13日(金)〜15日(日) エアロビック パンアメリカン選手権 アラカジュ(ブラジル) 大会の案内
11月14日(土)〜15日(日) スズキジャパンカップ2026 第43回全日本総合エアロビック選手権 全国大会
1日目はAD種目、2日目はAG種目で日本代表選考会を兼ねる。観覧券は各日1,000円。大会後にNHK BSで放送予定。
EBARA WAVE アリーナおおた(東京都大田区) 大会の案内
11月25日(水)〜27日(金) エアロビック アフリカ選手権 カイロ(エジプト) 大会の案内
12月5日(土)〜6日(日) スポーツエアロビック2026岡山オープン
12月5日はフライト種目、6日はAD・AG種目。
岡山県 大会の案内
12月8日(火)〜10日(木) 第9回地中海選手権(エアロビック) ブドバ(モンテネグロ) 大会の案内
12月19日(土)〜20日(日) スポーツエアロビック2026東京オープン
12月19日はフライト種目、20日はAD・AG種目。
東京都 大会の案内
1月23日(土) 第17回全国ユースフライト・エアロビック選手権
ブロック大会で出場権を得た選手が出場。
国内(会場は日本エアロビック連盟が発表) 大会の案内
1月24日(日) 第22回JOCジュニアオリンピックカップ 全国エアロビック選手権大会in袋井2027
ユース世代の全国大会の頂点。日本エアロビック連盟の強化選手の選考にも使われる。
静岡県袋井市 大会の案内
2月20日(土) 第22回全国フライト・エアロビック選手権
ブロック大会で出場権を得た選手が出場。
国内(会場は日本エアロビック連盟が発表) 大会の案内
3月19日(金)〜21日(日) エアロビック ワールドカップ カンタニェデ大会 カンタニェデ(ポルトガル) 大会の案内
4月15日(木)〜18日(日) エアロビック ドイツ・オープン リーザ(ドイツ) 大会の案内
4月16日(金)〜18日(日) エアロビック ワールドカップ リーザ大会 リーザ(ドイツ) 大会の案内
6月11日(金)〜13日(日) エアロビック ワールドカップ バクー大会 バクー(アゼルバイジャン) 大会の案内
6月16日(水)〜27日(日) ヨーロッパ競技大会(エアロビック)
体操競技・新体操・トランポリン・アクロ体操・エアロビック・パルクールを行う総合大会。
イスタンブール(トルコ) 大会の案内
9月24日(金)〜26日(日) 第15回エアロビック ヨーロッパ選手権
ジュニアは9月20〜22日に同じ会場で開催。
ペーザロ(イタリア) 大会の案内

ほかの種目の大会日程も見る

この種目の最近の結果

日程 大会 結果
9月11日(金)〜13日(日) 第19回エアロビック世界選手権 シニア男子シングルの河合翔は予選35位(17.950)。
9月4日(金)〜6日(日) 第2回エアロビック ジュニア世界選手権 ジュニアトリオはAE刈谷が予選12位、SKJ・ジムナの組が13位。ジュニア女子シングルの知崎百華は予選18位。
8月5日(水)〜7日(金) 第10回エアロビック アジア選手権 シニア女子シングルで岸邊茉央が銅メダル、ジュニア女子シングルで岡日菜多が銅メダル。
6月27日(土)〜29日(月) エアロビック ワールドカップ 南昌大会 女子シングルの岩城未緒、男子シングルの嶌田隼太がともに決勝7位。
4月18日(土)〜19日(日) スズキワールドカップ2026 第37回エアロビック世界大会 ジュニア女子シングルで知崎百華が優勝(2度目)、ジュニアトリオでAE刈谷(知崎百華・中島心々音・岡日菜多)が2連覇。シニア男子シングルの河合翔は6位。

よくある質問

エアロビクスとエアロビックはちがうものですか。

エアロビクスは有酸素運動の考え方やフィットネスのことです。エアロビックは、そこから生まれたエアロビックダンスの動きを技として整理し、採点で競うスポーツにしたものです。

日本はエアロビックで強いのですか。

強豪国の一つです。2018年の世界選手権で男女シングル、2024年の世界選手権で女子シングルとミックスペアが金メダル、2025年のワールドゲームズでもミックスペアが金メダルを取りました。

全日本選手権はいつ、どこで見られますか。

スズキジャパンカップ2026全国大会は2026年11月14・15日に東京都大田区のEBARA WAVE アリーナおおたで開かれます。観覧券は各日1,000円で、11月9日10時から一般販売です。

子どもは何歳から大会に出られますか。

国際ルールのAG種目ではユースが11〜13歳です。日本独自のエアロダンスには13歳以下のルーキーズの部があり、基本の動きができれば挑戦できます。

エアロビックはオリンピック種目ですか。

オリンピック種目ではありません。世界選手権(偶数年)やワールドゲームズで行われ、日本エアロビック連盟は世界体操連盟と協力して五輪種目入りを目指しています。

出典

情報の確認日:2026-10-20。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に主催者の案内をご確認ください。

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